このページには、東海道・山陽新幹線の、 回数券タイプの企画乗車券をまとめてあります。 ただし、ここで紹介するのは主に首都圏で定常的に発売されているもののみであり、 首都圏以外で限定的に発売されているものなどについては省いてあります。
東海道・山陽新幹線の回数券は区間ごとに各種の商品があり、複雑です。
利用する区間が決まっていれば、JR東海の Web ページで調べるのが最も正確です。
どのような商品があるのか、概要を以下にまとめました。
「のぞみ用」は〔ひかり〕〔こだま〕にも利用できます。
また「ひかり用」は〔こだま〕にも利用できます。
グリーン車用 | 普通車指定席用 | 普通車自由席用 | |
---|---|---|---|
名称・枚数 (のぞみ用) |
新幹線回数券 (グリーン車用) 6枚つづり |
新幹線回数券 (普通車指定席用) 6枚つづり ※東阪間は例外 |
新幹線回数券 (普通車自由席用) 6枚つづり |
名称・枚数 (ひかり用) |
ひかり・こだまグリーン回数券 6枚つづり |
ひかり・こだま指定席回数券 6枚つづり |
ひかり・こだま自由席回数券 6枚つづり |
名称・枚数 (こだま用) |
こだま号専用グリーン回数券 4枚つづり |
− | − |
設定区間 (東京から) |
|
|
|
新幹線の回数券のうち、東京・大阪間の普通車指定席用については、
6枚つづりの「のぞみ指定席回数券」、
20枚つづりの「新幹線回数券20」と2種類が存在します。
「のぞみ指定席回数券」で〔ひかり〕〔こだま〕に乗ることもできますが、
通常期にはまったく割引がありません。
閑散期には逆に損をします(ふつうに特急券と乗車券を買ったほうが安い)。
上の表を見ると、〔のぞみ〕を利用できる区間には〔のぞみ〕用の指定席タイプ、 そうでない区間は〔ひかり〕用の自由席タイプという原則が見えてきます。 そして〔のぞみ〕の利用しにくい区間のうち主要な駅間にのみ、 〔ひかり〕用グリーン車・指定席タイプが追加設定されています。
きっぷの種類は以上のとおりですが、商品ごとに割引率は異なります。 また、同じ商品でも区間によって割引率が異なります。
最もよく利用されそうな普通車指定席用ですが、東海道新幹線のみの区間では、
片道の割引額は510円というのがふつうです。つまり、回数券を買っても、
自由席のねだんで指定席に乗れるという意味しかありません。
(例外的に安いのが東京・米原間です。)
山陽新幹線にまたがると割引率は多少上がりますが、
東京から西明石以西だと、ふつうのきっぷを買っても往復割引が適用され、
これを勘案すると割引額は逆に減少します(〔のぞみ〕利用時で片道200円)。
〔ひかり〕を利用するなら、ふつうに往復乗車券+特急券を買ったほうが安いほどです。
かつては通常価格よりずっと安かったグリーン車用ですが、
現在はまったく安くありません。
東海道区間だけだと〔ひかり〕料金で〔のぞみ〕に乗れるというだけですし、
山陽区間にまたがっても、
価格は往復乗車券÷2+〔のぞみ〕特急券・グリーン券より200円安いだけ。
普通車の通常価格+αでグリーン車に乗れるというのは昔話になりました。
ただ、〔こだま〕専用のものは普通車指定席の通常価格+500円という設定で、
4枚つづりで買いやすいので、時間はかかるものの利用価値はあります。
割引率が最も高いのがこれです。といっても10%を切る程度で、 たとえば東京・静岡間で通常の片道運賃・料金より430円(7.6%)安くなっています。
学割だと運賃が2割引になりますが、特急料金は割引にならないので、
新幹線を利用するときの実質割引率は10%強というのがふつうです。それでも、
ここで紹介した回数券よりは学割のほうが安くつくことがほとんどです。
たとえば東京・大阪間なら、「新幹線回数券20」の1枚あたりの価格が13240円ですが、
学割で〔のぞみ〕の普通車指定席を利用すると片道12340円で済みます。
2003年10月、
〔のぞみ〕大増発のダイヤ改正時に回数券類のラインアップもかなり変わり、
先に紹介したように割引のほとんどない状態になってしまいました。
不景気にもかかわらず、実質値上げという強気の価格政策がとれるのは、
〔のぞみ〕中心の新たな運行体系に十分な競争力があるとJR側がふんでいるからです。
実際、東海道新幹線の乗客数はダイヤ改正後に大幅に増えています。
ただ、東京と大阪以遠の各都市には航空機という交通手段もあり、
ローカル路線を削ってドル箱路線の便数を増やしたり、
神戸空港の開港でスカイマークが参入を表明したりと、動きが活発になっています。
特に山陽新幹線にまたがる長距離の区間では、今後、
商品の見直しによる実質値下げもあり得るでしょう。