首都圏〜関西 ツアーバス体験記(番外編1)
東京〜徳島・香川(新日本ツーリスト)

Summary

 首都圏と関西を結ぶツアーバスに実際に乗ってみた記録の番外編として、 東京と徳島・香川を結ぶツアーバスに乗ってみた記録を公開します。
 今回選んだのは新日本ツーリスト主催「東京ライナー」の 「スーパーシート」(シートの前後間隔が広い車両)です。 乗車日は2005年12月21日、東京(新宿)から香川(高松)まで乗りました。
 なお、ツアーバスに関する一般的な情報は、別の文書「東京・大阪間の格安バスツアー」にまとめてあります。


「票読み」は当たるか

 2005年の11月下旬、ふと年末のカレンダーを見て、 「1日休めば4連休」という曜日配列を発見。 突然、うどんを食いに香川県に行きたくなった。 そこでツアーバスを予約したわけだが、実際に予約するまでにはいろいろ考えた。
 東京から香川方面へは、 香川を拠点とする「新日本ツーリスト」がバスツアーを毎日催行していて、 「スタンダードバス」のほかに、 4列ながら前後間隔の広い「スーパーシート」の設定がある。 しかし私の感覚では、いくら前後の感覚が広くても、 4列シートの夜行バスで隣席が埋まっているのはやや堪えがたい。 半面、隣席が空いていれば、かえって3列シート車より広くて快適といえる。
 今回は結局、「隣は空席のはずだ」と読んで「スーパーシート」を予約した。 いちおう以下のような読みがあってのことだ。

 予約後もずっと空席状況をチェックしていたが、 乗車前日まで空席は「10以上」で推移した。 定員が(運転士待機用の2席を除いて)35名のバスで空席が10以上なら、 かりに乗客が「独り者25名」でも隣席が空く確率は約7割。 実際には2人以上のグループもいるはずだし、 空席がちょうど10ということも考えにくい(というより、 絶対に空席のほうが多いと思っていた)ので、 まず隣席は空いているだろうと思われた。
 しかし、さすがは「できるだけ席を埋めて稼ぐ」のが商売のツアーバス、 一筋縄ではいかないのだった。当日どうだったかは後述する。


ぎりぎり予約で冷や汗

 今回、取消料を恐れて出発直前まで予約しなかったのだが、 1カ月ほど前から継続的に空席状況は調査していて、何度か冷や汗をかいた。

 まず1回目の冷や汗は11月28日。 このツアーバスのオンライン予約サイトがリニューアルされ、 「楽天トラベル」内に入った。それだけなら何ら問題はないが、 どういうわけか移行時に12月分が全便満席になってしまった。 前日までは一部を除いて空席多数だったので、 この変化はあまりにも不自然で、実際には空席があり、 主催者の新日本ツーリストに電話すれば何とかしてくれるだろうと思ったが、 しばらく落ち着かなかった。1日後ぐらいに見たら、 何事もなかったかのように空席が復活していた。

 その後も継続的に空席をウォッチしていたが、予約期限の「当日17:00」が近づくと、 空席が残っているのに予約できないという現象が見られ、これもまた冷や汗ものだった。 ただ、この現象も数日のうちに改善され、 「予約期限が近づくと空席がゼロになる(ので、 そもそも予約操作ができない)」というふうになった。 おそらく、公称の期限は当日17:00だが、 実際にはそれより前(たぶん当日の昼下がりぐらい)に受付を締め切っているのだろう。

結論:安心したければ早めに予約

 以上、あとから考えてみればいずれもシステムの不具合だったのだが、 渦中にいるときはいろいろ勘ぐった。 列車や路線バスとちがい、ツアーバスは融通が利くので、 予約している人数が少なければ、出発数日前に、 大型のバスが中型に変更になるかもしれない(その場合、 空席多数だったものが一気に満席になる可能性もある)。 また、1台のバスに複数のツアーの参加者が同居することも日常茶飯事だから、 ある時期にツアー間の座席配分が見直され、空席が一気に減ることも考えられる。
 あたりまえの結論だが、安心したければ早めに予約して、 参加の意志を示すべきである。取消料がけっこう高いので、 満席になりそうになければ直前まで予約しないのがベストだが、 上記のように突然空席がゼロになる可能性もないではない。
 ちなみに、私が予約したのは2日前の昼。 2日後(乗車当日の昼)でも予約はできたと思うが、 私の度胸ではこのあたりが限度だった。


寂しいまでに静かな出発

 前置きが長くなったが、いよいよ乗車当日を迎えた。東京側の乗車地は新宿と TDL の2カ所で、私は新宿から乗ることにした。
 集合時刻(19時45分)の10分ほど前に、集合場所である東京三菱銀行前に到着。 あと2、3時間もすれば各方面へのツアーバスが集中し、 歩道が乗客であふれているはずだが、今はほとんど無人で、 それらしき待ち人が数名、所在なげに立っている程度だ。

新日本ツーリスト(琴平バス) スーパーシート車外観

 あたりを見ると、道路をはさんで反対側にバスが停まっていた。 新日本ツーリストの関連会社「琴平バス」のスーパーハイデッカー車で、 これに乗ることになるのだな、と察しがついた。 ただ、「スタンダード」「スーパーシート」各1台がいるべきところ、 待っていたのは1台だけ。数分待っても2台目が現れる気配はなく、 もしやこれは…と思うようになった。
 19時45分になっても受付の人は来ず、少し範囲を広げて探していたら、 いつの間にか、元の場所に運転手さんがぽつんと立っていた。 地上専任のスタッフはおらず、 運転手さん自身が集合場所に立ってバスへの誘導を行い、 控えの運転手さんがバスで待ち受けているようだ。
 さっそく名前を告げると、予想どおり、さっき見たバスに案内された。


敗者復活で「合格」?

 横断歩道を渡り、いよいよバスに乗り込む。
 合格発表を見るように座席表をのぞき込むと…うわー。 座席は半分強が埋まっていて、独り者のうち私(と、 その隣の1人)だけが「独り者どうし隣り合わせ」という配置になっていた。 しかも私は通路側(3B)。考え得る最悪の結果だ。 最後まで予約を渋っていたのがよくなかったのだろうか。
 しかし、よくよく見るとバスの前方には空席がある。 最前列が控えの運転手用にブロックされているのは知っているが、 それにしても空きが多く、前2列はすべて空いていた。 とっさに「ここが空いてるけど、移っていいですか?」と聞いたら、あっさりOK。 無事、2AB席を確保できた。運転手さんは親切で、 本来の席に用意していた毛布をわざわざ移動先に持ってきてくれたが、 そこまで気が利くなら、最初から2A席を割り当ててほしかった。 あとで見たところ、 1番AB席と2番CD席は乗務員用の荷物置き場としてキープしていたようで、 これで「席の移動はできません」と言われたら文句の一つも言いたいところだ。

巧みな配車ポリシー

 集合場所に来るまで、こんなきわどい結果になるとは予想していなかったが、 この誤算の大きな原因は巧みな配車ポリシーだ。
 前述のように、このツアーは「スタンダード」「スーパーシート」の2クラス制。 1台のバスに2種類の座席が混在しているわけではない、 というところまでは調べがついていた(蛇足ながら、 他社には異なるクラスの座席が混在している車両もある)。 だから、バスは(中型かもしれないが)最低でも2台来ると思っていた。
 しかし、最後の部分が素人考えだった。 「スタンダード」「スーパーシート」合わせても乗客がバス1台に満たないとみるや、 旅行会社はバスを「スーパーシート」1台に絞り、 (ここからは推測だが)「スタンダード」で予約した客も、 追加料金なしで「スーパーシート」車に乗せたのだ。 「スタンダード」と「スーパーシート」の差額は片道わずか500円だから、 バカ正直にバスを2台出すより、 一部乗客に差額をサービスしてでも1台にまとめたほうが明らかに安上がり。 言われてみれば何のことはないからくりだが、妙に感心した。 どう考えても赤字だろうと思われたツアーバスが何とかやっていけている理由は、 こういう柔軟な運用が可能だからなのだろう。
 この巧みな配車のさらに上をいくには、よほど利用日を工夫しないとダメだろう。 このツアーは旅行会社もバスも香川県が拠点だから、「香川→東京」で2台運行なら、 その翌日の「東京→香川」も必ず2台運行になると考えられる。 この性質をうまく利用し、 「混みそうな便の折り返し便」(たとえば金曜香川発の折り返し=土曜東京発)を狙えば、 今回のように冷や汗をかくことなく、2席使ってゆったり移動できる可能性が高い。 それもスタンダードの料金で。


スーパーシートはどの程度「スーパー」か

 紆余曲折のすえ、無事、2席を確保して落ち着いた。 荷物を整理し、ようやくバス自体を詳しく見ることができた。
 この「スーパーシート」車は、 横4列ながらシートとシートの前後間隔が広いというもので、 驚くべきことに縦は9列しかない。明らかに広さを実感できる。
 他の旅行会社も「のびのびシート」「足元ゆったりバス」 などという名称で同様のバスを走らせているが、少し(実車を見ずに Web 上で)調べたところでは、これらは「横4列×縦10列」のバスを使用しているようで、 シートピッチ(自分の席の前端から、1つ前の席の前端まで)は900〜950mm程度と思われる。 これだと特急列車の普通車と同じか、若干狭い程度だ。 横3列の車両でも、前後の間隔はこの程度であることが多い。
 ところがこのバスは縦が9列で、シートピッチは公称1020mm。 30cm定規で適当に実測してみたが、1000mmは確実に超えていた。 東海道新幹線の標準的な普通車でシートピッチ1040mm、 東北新幹線では同980mmだから、バスとしては破格の広さといえる。 座ってみると圧迫感がなく、前のシートをかなり倒してもだいじょうぶそうだ。

新日本ツーリスト(琴平バス) スーパーシート

 ただ、座席の横幅はあまり広くなく、 これで隣席が埋まっていたらやはり窮屈そうだ。 横4列だからスタンダード車と同じ広さでもしかたがないわけだが、 最近は横4列でも可能な限り横方向の広さを追求し、 座席間にひじ掛けを装備したシートも出てきているので、 そういうシートと比較すると若干見劣りする。 たとえ縦10列でもいいから、横方向の圧迫感がもう少し何とかなれば、と思う。
 また、このバスにはトイレがない。私は「トイレなしで数百円安くなる or 座席が広くなるならそのほうがいい」と思うが、 このあたりは好みの分かれるところだろう。
 さらに言えば、車齢は微妙なところだ。 外見から判断する限り、それほど古い型式のバスではないものの、 内装は最新とはいえず、カーペットなどはちょっとくたびれていた。

 というわけで、「スーパーシート」の名に恥じない車両だとは思ったが、 夜行で、隣の席に知らない人が座るという条件では、 私はちょっとかんべんしてほしいと思った。
 ただ、今回乗った車両には「シートスライド機能」があり、 ボタン操作により、通路側の席が車両中央に向かって15cm程度移動するという。 これを利用すれば横方向の狭さは相当改善される。 しかし通路をふさいでしまうので、休憩のたびにシートを元に戻す必要があり、 実用性には疑問が残る。 今回は乗客が少なかったせいか、この機能については案内されなかったし、 停車中に試したところではスライドしなかったので、使い心地は不明のままだ。

 後日談だが、予約サイトの「利用者の声」に対する回答(NN701便 2006年1月9日の声に対する回答)を見ると、 運輸局から「シートをスライドさせるのは危険なのでやめるように」という指導があり、 現在では「シートスライド」の広告をやめているという。 しかし、同様のシートは他社にもあるし、 そもそも運輸局に認められないシートなどメーカが販売しないはずで、 何か釈然としない説明だ。最近になって運輸局の方針が変わったのだろうか。

ふつうのバスは縦何列?

 大型バスの場合、縦は11列というのが標準的。 路線バスでも横4列ならたいてい縦は11列で、 「まぁ、バスならこの程度だろうな」という広さだ。
 また、定員を重視する場合には縦12列というのもある。 路線バスだと縦12列車は短距離の路線でまれにみかける程度だが、 ツアーバスだと東京・大阪間でも12列という場合があり、油断ならない。 私は最近乗った記憶がないが、縦12列だと、 足の長い人はひざが前の席につかえるという話。
 一方、少し余裕を持たせる場合には縦が10列で、 中・長距離の路線バスやツアーバスの「広いシート」で見かけるが、 それより広い9列、8列というのはあまり見かけない。 9列の車両は貸切バス会社に多少あり、 路線バスでも所要時間の長い路線でまれに走っているようだが、 8列はかなり特殊な存在のようだ。 私自身、縦9列車に乗ったのは今回が初めてだと思う。


TDL 飛ばして時間かせぎ

 出発予定時刻は20時だが、定刻になってもなお4人が来ていないという。 座席表によるとたしか乗客は21人で、そのうちの4人が遅刻というのはひどい。 これが路線バスなら、迷わず4人を置き去りにして発車するところだろう。 乗客の連絡先を把握しているばっかりに、いちいち電話をかけて確認をとり、 多少の遅れなら待つというサービスをしているようだが、 路線バスに近いサービスを志向しているのだから、 このあたりは路線バス並みに割り切ってもいいと思う。
 結局、数分遅れでおっさん2人連れが到着。 遅れてきたというのに悪びれたふうもなく、 私の背後に座って携帯電話を鳴らすわ酒を飲み始めるわで、まいった。 乗客は若者が比較的多かったが、若者のほうは対照的に静かで、 夜行バスでの過ごし方を心得ているようだった。
 20時15分、見切り発車しようとしたところにもう1人がやってきて、 最終的には「1人積み残し」で新宿を発車。 今日は悪天候で遅延が見込まれるが、 新宿発車時にすでに15分遅れというのはもったいない。
 このバスは新宿を出ると東京ディズニーランドに立ち寄り、 それから四国を目指すことになっているが、 バスは新宿西口をぐるっと回って山手通りに入った。 もしや…と期待していると、期待どおり、バスは大橋あたりで国道246号線に入り、 池尻から首都高速3号線へ。ここまで来ればあとは東名で西に向かうしかない。 首都高速に乗ったのが20時34分のことだったから、 東京ディズニーランド(定刻21時発)に立ち寄ったときと比べ、 約1時間早いことになる。個人的には明日朝の予定が詰まっているので助かった。
 それにしても、乗客が20人以上いるのに、 ただの一人も東京ディズニーランドから乗らないというのはかなり意外だった。 東京ディズニーランドに立ち寄った人も、 この寒い季節に21時までぶっ続けで遊ぶようなことはなく、 早めに切り上げて新宿からバスに乗ったということなのだろうか。


悪天候の中、着実に西進

 無事に高速に乗ったバスは順調に西へ向かう。 20時40分に東名に入り、天窓のようなフロントガラス上部にブラインドが下ろされた。 光を完全に遮断するものではないが、対向車のライトはだいぶ気にならなくなった。
 高速に入ると気になるのはスピードだが、かんたんに測定したところでは、 100km/hを超えることはほとんどないようだった。 道路脇のキロポストをにらんで「1km進むのに何秒かかるか」 を測定することで速度を割り出したが、 1km進むのに35秒(=103km/h)ということが1回だけあったものの、 あとは37秒程度(=97km/h)、あるいはもっと遅かった。 「ツアーバスは法外なスピードで走って時間をかせいでいる」という話があるが、 このバスに関してはそういうことはないようだ。 追越車線を走ることは多かったが、これはおそらく、 大型トラックに90km/hのリミッターがついていることが大きな原因だろう。 大型トラック以外の車を追い抜くことはあまりなく、 後ろから猛スピードの特攻野郎がやってきた場合には、素直に追越車線を譲っていた。
 21時に消灯となり、車内はかなり暗くなった。 さすがにちょっと早く、しばらく寝つけなかったものの、 いちおう寝る努力はしてみた。

 22時半ごろ、妙な音で目覚めた。何かと思ったらワイパーの音だった。 ここのところ日本中が荒天で、 今晩から明日にかけても強烈な寒気が入り込んでくることになっているが、 静岡県に入ったところで早くも雨(もしくは雪)が降り出したようだ。
 今後を心配していると、22時50分に牧之原サービスエリアに到着、 池尻からちょうど200km、所要時間が2時間15分程度だから、 堅実な運転をしていることがうかがえる。 もう深夜だが、車内にトイレがないこともあり、降りる人は意外に多かった。 天候は小雨。
 前途の道路状況を調べると、静岡・愛知の県境あたりに50km/hの速度規制があるようだ。 その先、関ヶ原あたりの状況までは分からなかったが、多少は遅れが出そうだ。
 23時05分にふたたび走り出した。ぐっすりとはいかないが、それなりに眠れた。

 次に目覚めたのが1時半ごろ。 バスは雪の激しく舞う中を、ときおり渋滞につかまりながら進んでいた。 それでも通行止めにはなっていないようで一安心。
 1時50分、多賀サービスエリアで2度目の休憩。 牧之原から223km、所要時間が2時間45分だから平均81km/hとなり、 渋滞の影響は限定的なものだったようだ。 ただ、雪は依然として降り続いていて、予断を許さない。


無事四国入り、35分早着

 2時05分に出発し、次の休憩は4時40分、淡路島南パーキングエリア。 多賀から228km、所要時間2時間35分だから平均はやはり85km/h前後で、 雪にも負けず淡々と走ってきたようだ。 淡路島では雪は降っていないようだったが、そのかわり風が強く、 一つまちがえば大鳴門橋が通行止めになるところだった (実際には明石海峡大橋ともども無事だったが)。 大鳴門橋がダメなら瀬戸大橋も怪しいもので、 四国行きのバスは悪天候に弱いといえるだろう。
 休憩を終えて出発するとすぐに大鳴門橋に差しかかる。 陸上よりさらに風が強いことは容易に想像できるが、 実際に走ってみると、やはり車体は左右に揺れた。 さすがにスピードは出せず、一般道並みの速さで恐る恐る四国に渡った。
 鳴門インターから一般道へ。バイパスのような太い道を黙々と走ること約5分、 5時12分に最初の下車地である「松茂」に到着。 目の前は「松茂とくとくターミナル」という駐車場つきのバスターミナルで、 専用のバス乗降場を使えるのは路線バスだけのようだが、 このバスはターミナル近くの路上で1人を降ろした。
 さらに同じ道を直進。徳島の市街地に入っても歩道には雪が残り、 今も雪が舞っている。すさまじい天候だ。
 次に停まったのは5時29分、徳島駅。 といっても駅前のターミナルに入ったわけではなく、1ブロック隔てた路上に停車。 ここで7名が下車。新日本ツーリストは香川が地盤だが、 インターネットでも予約を受け付けているせいか、 はたまた徳島でも広告を打ったのか、乗客の3分の1は徳島の人だった。
 乗降が終わると鳴門インターに逆戻りし、高松道で高松を目指す。 さすがに眠くなったので一眠りしていたら、 次の降車場所である津田SAに気付かなかった。 乗降客がいないので通過したのかもしれない。
 目が覚めるとバスは高速を下りるところだった。 6時27分に高松中央インターを通過。 さらに眠っていると、今度は臨海工業地帯で目覚め、6時42分に高松 VCP 着。「高松 VCP」というのは Web で検索してもほとんど引っかからない施設だが、 単なる「長期駐車場」のようだ。立ち寄ったからには降りる人がいるはずだが、 昨夜の「お騒がせおっさん」が「やっぱり駅まで行く」と言い出したので、 何もせずに発車。その代わり、後ろのほうに乗っていた女性が、 血相を変えて「もう徳島過ぎましたか?」と飛び出してきた。やれやれ。 参加者全員の名前を把握しているツアーバスだが、このツアーの場合、 降りる際には特にチェックしていないのだろう。
 通勤の車に混じり、6時54分、高松駅着。 路上での乗降が多いツアーバスにしては珍しく、 駅前のちゃんとしたバス乗降場に着いた。 急いでいたので降りた人数や終点(宇多津)まで行く人の数はカウントしなかったが、 あの悪天候の中、定刻より約35分早く着いたのはありがたい限りだ。 東京ディズニーランドに立ち寄らなかったのが大きいのだろう。


総合評価:2人連れにはおすすめか

 以上のように、乗車率の読み違いはあったものの、 運行上は特に問題もなく、極めて順調に高松に着くことができた。
 振り返ってみると、これまで乗ってきたツアーバスと比較して、 乗車時の受付が断然スムーズだった。出発時刻が他のツアーバスより早いこと、 バスの運転手さんが自分のバスに乗る客だけを相手にするのでスタッフ1人あたりの負担が軽いこと、 などが主な理由だと思う。ただ、東京ディズニーランドにもし立ち寄っていれば、 他のツアーバスも同時に停車していたはずで、 こうなると受付には手間取った可能性がある。
 あとは「スーパーシート」の評価だが、前述のとおり、 私の感覚では「見知らぬ人との二人掛け」はやや厳しい。 特に、隣に体格のいい人が座ったときには、 いくら座席の前に余裕があっても窮屈そうだ。 こんなときこそ「シートスライド機構」が生きると思うのだが、 今回は一度も案内されなかったので、実際にこの機構を使っているのかどうか不明だ。 また、この機構を使ったとしても、 夜中の休憩時にいちいち戻さないといけないという問題は残る。
 というわけで、総合評価としては「2人連れなら安くて快適」としたい。



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最終更新: 2006年 2月 4日
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