まずは説明を読んでください。;-)
たとえば、東京から横浜まで一気に乗車するときに、
「東京→品川」「品川→横浜」という2枚の乗車券を併用して乗ることは、
不正乗車ではありません。たとえ品川を通過する列車に乗るとしてもです。
これは普通乗車券、回数券、定期券のすべてに言える大原則です。
約款にも、
「2枚以上の乗車券を併用するときはどうこう」という条文がいくつかあります。
これは、乗車券の併用が、
正しい乗車券の利用法として想定されていることを示しているといえます。
ただ、全区間に対して1枚の乗車券を買える場合に、 意図的に2枚以上に分けて乗車券を買うことは、不自然と言わざるを得ません。 このため、不審な目で見られるなどの弊害があります。
最近の自動改札機は、きっぷの区間だけではなく、
「実際にどの駅から(何時何分に)乗ったか」ということもチェックしています。
そして、どの駅から乗ったかが記録されていないと、
不正乗車の疑いがあるので扉を閉められてしまうことがあります。
この機能は、定期券の分割購入をしている人にとってはかなりのじゃま者です。
たとえば「東京・品川」「品川・横浜」という2枚を併用する場合、
東京駅を入るときには前者、横浜駅を出るときには後者を利用しますが、
後者は東京駅で改札機を通していないので、どこから乗ったか、
という記録(入場記録)がない状態で横浜駅の改札を出ることになります。
結果として、不正乗車ではないのに扉を閉められてしまうことがあります。
この問題を回避するために、2枚(以上)の定期券を窓口に持ち込んで、 「入場記録をチェックしないようにする」という処理をほどこしてもらうことができます。 これにより、入場記録がなくても改札機が文句を言うことはなくなります。
1枚で買える定期券を2枚に分割して買おうとしたら、
いやな顔をされた…そういう人はけっこういるかもしれません
(私自身は未体験なので分かりませんが)。
また、1枚目と2枚目を別々の駅で買ったとしても、
前述の「入場記録をチェックしない」処理のときには2枚そろえて出す必要があり、
そのときにいやな顔をされることはあり得ます。
サービス業であるところの鉄道業を営む者が、
お客さまに対していやな顔をするとは何事だ、というのももっともな意見ですが、
でも実際、そういう駅員さんは存在すると思われますし、
「入場記録をチェックしないようにする」
処理は約款で義務づけられているわけでも何でもないので、
拒否されたらそれまでです。毎日毎日、自動改札機との戦いを強いられます。
そこで、「いやな顔をされにくい買いかた」というものを考えてみましょう。
いやな顔をされるのは、1枚で買える定期券をわざわざ2枚に分けているからです。
ならば、最初から2枚にしないと買えないような定期券を買えばいいわけです。
たとえば新小岩・横浜間を乗車する場合、品川で分割すると安くつきますが、
「新小岩・横浜」という1枚の定期券が買えるのですから、
わざわざ2枚に分けて買って、それで自動改札機を通れなくて不便だ、
などと文句を言っても、
「そんな買いかたをするからだ」と返されたらそれまでです。
しかし、分割購入するうちの1枚、「新小岩・品川」という定期券は、
同額のまま距離をさらに延ばすことができます。
すなわち、「新小岩・品川」と「新小岩・品川・大崎」は同額です。
これを利用して、
「新小岩・品川・大崎」「品川・横浜」の2枚の定期券を同時に買えば、
文句をつけられる筋合いはありません。
2枚の定期券がカバーする区間はT字形ですから、
1枚の定期券でこのT字形の区間を全部カバーするのは不可能。
つまり、2枚の定期券を買う必然性があるわけです。
この手はいつでも使えるというわけではありませんが、
分割駅が分岐駅の場合には一考の価値はありそうです。