この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
震災による大量廃車を埋めるため、急遽5編成30両が投入されたのが9000系です。
阪神電鉄の車両は昭和40年代以来、
阪神の系列車両メーカーである武庫川車両がすべて製作してきました。
が、主な車両納入先が阪神しかなく、それほどの製作能力は要求されないことから、
年間の製造能力は10数両、「町工場」といった趣でした。
そこへ例の震災です。失った車両は41両、
これをできるだけ早く製作しなくてはなりません。
しかし、それだけの車両を新しく作るとなると、
それこそ数年はゆうにかかってしまうでしょう。
そこで、武庫川車両では8000系代替新造車と5500系の計11両だけを請け負い、
残る30両は約25年ぶりに川崎重工へ外注しました。それがこの9000系です。
9000系は、阪神としてはこれまた約20年ぶりのステンレス製車体となりました。
工期を短縮するため、
ステンレス車のラインしか空いていなかったためなどの憶測がありますが、
ともかく「シルバージェット」以来の銀色の車体となりました。
「赤胴」の一員であることを示すために赤い帯を巻いています。
5500系で阪神の下回りに大変革が訪れたので、
9000系ではさほど目新しい新技術は投入されていません。
5500系に採用されたモノリンク式ボルスタレス台車(SS144)
を高速走行用にチューンアップしたSS144A・SS044Aを装備し、VVVF
インバータ制御を採用。モーター出力は5500系よりやや大きい130kWです。
5500系もずいぶん人目を引きましたが、ステンレス、ブラックフェイス、
そして一挙に5編成と、9000系の目立ちかたはそれを超えていました。
1996年3月20日、阪神の完全復旧を宣言するダイヤ改正とともに営業運転を開始、
次代を担う新鋭として活躍中です。
もちろん、直通特急として山陽線に入ることもできます。
8000系のほうが車両数が圧倒的に多いので、
実際に入ることはそれほどないようですが。