この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
3000系は、抵抗制御の3521・7801・7901形を界磁チョッパ制御に改造、 3両編成とした車両です。
大型車への転換期にコストを削って製造された「経済車」7801・7901形のうち、
最初期の12編成24両が、3521形12両とともに、
制御機器の交換による延命措置を講じられることになりました。
運転台が片方にしかない2両編成の7801・7901形と、
単車走行が可能な片運転台の3521形は、
車両運用の都合から事実上の3両固定編成となっていました。
この車体をそのまま利用、制御機器だけを当時主流の界磁チョッパ制御に交換し、
3000系という新しい形式が生まれました。
このようにして登場した3000系12編成36両は、
未改造の7801・7901形が続々と廃車となる中で生き延びてきました。
3000系に改造されたのは最初期の7801・7901形でしたから、
車体だけ見れば新しい車両が先に廃車になり、最古の車体が生き残ったわけです。
いくら制御機器を交換したとはいえ、車体の古さはいかんともしがたく、
乗客から見れば単なるボロ車というのが3000系の実情でした。
が、震災で2000系や8000系が廃車となる中、
3000系は12編成中10編成が生き残りました。
私が震災数日後に駆けつけてみたら、
朝から動いていたのは3000系のトップナンバー、3101Fでした。
「憎まれっ子世にはばかる」という言葉をふと思い出してしまいました。
古いのだから、
車両がたくさん必要なラッシュ時にだけ使ってくれればいいようなものですが、
走行キロ調整などの関係か、
晩年も毎日のように昼間の特急や急行にも使われていました。
ベテランには敬意を表するべきなのでしょうが、次の特急は8000か9000か、
と期待しているところにこれが来ると、さすがにがくっときます。
そんな3000系に、ファンとして唯一魅力を感じるとしたら、
上り列車での「かぶりつき」でしょう。
現在、本線を走る優等列車で先頭車にモーターがついているのは実質的にこの3000系
(の梅田方先頭車)だけなのです。
同じかぶりつきでも、モーター音があるのとないのとでは迫力がちがいます。
そんな3000系にも、ついに形式消滅のときが訪れました。
震災後は車両不足が続いたため、
使える車両を廃車にする余裕はなかったのですが、
1998年2月のダイヤ改正によって赤胴車に余裕が生じたことから、
まず4編成12両が廃車となりました。
残る18両は、新鋭のクロスシート車両9300系で順次置き換えられていきました。
2001年3月に6両、ついで2002年3月に6両が廃車となり、
最後に残った3111F・3112Fも2003年3月に営業運転を終えました。
西大阪線や武庫川線にはまだ7801形・7861形が残っていますが、
3000系の引退で、本線からは「経済車」がほぼ姿を消したことになります。