1995年11月に営業運転を開始した5500系は、
震災によるジェットカーの廃車8両を補う「代替新造車」でした。
翌年1月には第2編成が登場し、「穴」は埋められました。
それから約1年半にわたって動きがありませんでしたが、1997年、
ダイヤ改正によるジェットカーの所要車両数増加に対応するため、
5500系を3編成12両新造することが決定し、9月末、
第3編成が搬入されました。
その後、数週間おきというハイペースで第4・5編成も搬入され、
合計で5編成となりました。
5500系の登場は1995年で、
同じく代替新造車である9000系より若干早くなっています。
そのため「9000系には採り入れられたが、
5500系にはない」という新機軸がいくつかありました。
今回登場した5500系には、その新機軸が軒並み採り入れられました。
さらに、9000系では長期試験という扱いになっていたものについても、
一部が本格採用されています。
また、これまで阪神の車両は(短期間に大量生産を必要とした9000系は除いて)
系列の車両メーカーである武庫川車両が製造することになっていました。
が、今回の5500系第3〜5編成は川崎重工での製造となっています。
これは、
1998年2月のダイヤ改正までに急遽3編成12両をそろえたかったからのようです
(武庫川車両の製造スピードはせいぜい年間で10両強)。
特に急がない第6編成以降はふたたび武庫川車両で製造されています。
外観上の大きな特徴は側面の窓に黒いふちがついたことでしょう。 これまでは特にふちのようなものは見えなかったのですが、 この編成ではずいぶん目立つようになっています。
9203Fで長期試験中だった転落防止装置が採用されました。 形状は9203Fのものと若干異なるようです。
貫通路の拡大は9000系での主な改善点の1つでしたが、
これが5500系第3〜5編成にも採り入れられました。
これにより妻面の窓が従来より狭くなりました。
ドアの窓とその支持方法も9000系と同一になり、
ドアとガラス面との段差が少なくなりました。
これにより外側の見かけも少し異なったものになりました。
こればっかりは見えません。:-)
音を聞く限りでは、
第3編成の神戸方ユニットは制御器の調整が従来とは異なっていたようです。
ただ、最近では他の車両と同様の音になっています。
長期試験の結果、特にメリットがないという結論に至ったのでしょうか。