この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
「寝台個室」というと、どういう印象を受けますか? だいたいそんなもの、 日本にあるのか、あったとしても高いんじゃないか…そんなところでしょう。 フェリーでは一等、特等船室などで一般的な(寝台)個室ですが、 列車ではまだまだ少数派、あまり知られていません。 その数少ない個室の中で知られているものといえば、1泊数万円という、 ふつうの移動には利用できないような高価なもの…
しかし実は、列車によっては安価で利用できる寝台個室が連結されています。
ふつうの寝台と同じ料金で利用できる個室、ねだんのわりに広い個室など、
「使える」寝台個室もちゃんとあるのです。
このページでは、そういった「庶民の寝台個室」をメインに、
寝台個室を網羅してみました。
このページの情報は2006年3月時点での編成にもとづいています。
寝台個室といってもふつうの寝台の仲間ですから、
ふつうの寝台と大きく異なる点はありません。
料金も、個室だからといって高いものばかりではありません。
乗車するのに必要なのは乗車券と寝台券。
あと、寝台個室が連結されている列車はすべて特急ですから、特急券も必要です。
乗車券は距離によってねだんがちがいますが、
特急料金は3000円前後でほぼ一定。そして寝台料金は、
距離に関係なく「1つの寝台を1夜使うといくら」と決まっています。
一般的な(個室ではない)B寝台の寝台料金は6300円ですが、
一番安い個室の寝台料金も同じ6300円。
一番高い個室になると1人33640円もしますが、これは例外中の例外です。
気になるのが子供連れの場合です。 保護者だけが乗る場合と比べて、どのくらいの追加料金がいるのでしょうか。
まず、子供が(個室ではない)寝台を1人で1つ占有する場合から考えます。
ベッドを1つ占有するので、当然、寝台料金は必要です。
寝台を利用するのが小児(小学生)の場合、
乗車券や特急券は通常どおり大人の半額です。
しかし寝台料金は半額にはなりません。
幼児(1歳〜小学校入学前)の場合、通常は乗車券や特急券がいりませんが、
幼児だけで1つの寝台を使う場合には、小児用の乗車券と特急券が必要です。
小学生未満でも、1つの座席や寝台を使う子供は「小児」と見なされます。
もちろん、大人と同額の寝台料金も必要です。
逆に、「添い寝」をするので子供に寝台は必要ないという場合には、
小学生であっても子供の寝台料金は不要です。
添い寝をするのが小学生なら運賃と特急料金(大人の半額)だけでよく、
小学生ではなく幼児なら、きっぷは何もいりません。
ただし、1つの寝台に添い寝できる子供は、
小学生であるかどうかに関係なく1人だけです。
また、添い寝の「主」は大人でなくてもよく、
小学生2人が同じ寝台を使うことも可能です。
だからといって大人2人の「添い寝」はできません。:-)
以上をまとめると以下のようになります。
寝台個室についてもだいたい同じです。 個室といってもあくまで「人数分の寝台が個室の中にある」というだけですから、 たとえば2人用の寝台個室なら、ふつうの寝台2つと同じ扱いをします。 添い寝についてもふつうの寝台と同じルールです。
ただし、(補助ベッドを含まない)定員が2人以上の個室では、
定員分の寝台料金のほかに定員分の大人の特急料金が必要になります。
これが唯一ちがう点です。
たとえば定員が2人の個室に大人2人で乗っても、
大人1人・小児1人で乗っても、小児2人で乗っても、
いずれも同じ特急料金・寝台料金が必要です。
(もちろん乗車券のねだんはちがいます。)
寝台個室がすぐれている点をいくつか挙げてみます。
当然ながら、これが最大のメリットでしょう。 たとえば子供連れならまわりを気にせずに済みます。一人旅だと、 荷物を置いたまま鍵をかけて車内の散歩に出かけることができますし、 朝になっても寝続けられるなど、ふつうの寝台とは格段の差があります。
寝台個室はまだまだあまり知られていません。
ですから、一部の個室を除けば競争率は思ったほど高くなく、
ふつうの寝台よりあとまで売れ残っていることすらあります。
たとえば〔北斗星〕では、
ふつうの寝台はオン・シーズンにはすぐ売り切れますが、
B寝台1人用個室「ソロ」などはそんな時期でも「比較的」入手しやすいようです。
グループ客に利用しにくいのが一因かもしれません。
もっとも絶対数は少ないので、やはり1年を通じてだと入手しにくいようですが、
個室だから入手は非常に困難ということばかりでもないのです。
逆に困ったこともあります。
寝台料金までセットで割引にする往復割引きっぷなどでは、 個室が利用できないことが多いようです(例外もあります)。 たとえ一般のB寝台と個室が同じ寝台料金でも、 「一般のB寝台はいいけど個室はだめ」というのがふつうです。 また、運賃は学割などの割引がありますが、寝台料金の割引はほとんどありません。
たとえば4人グループだと、
以前は「カルテット」という4人用個室がありましたが、
廃止されてしまいました。
このような大人数のグループでは、無理に個室を利用するより、
ふつうのB寝台を利用したほうがいいのではないかと思います。
ふつうのB寝台は4人でひとかたまりというつくりですから、
扉がないということを除けば事実上「個室」になります。
また、「ふつうのB寝台」に扉をつけただけの「簡易個室」が、
〔北斗星1・2号〕〔トワイライトエクスプレス〕に連結されています。
「簡易」個室とはいえ、ドアを閉めればちょっとした個室気分で、
4人グループにはおすすめ。
なお、この簡易個室は、
制度上はふつうのB寝台とまったく同じ扱い(個室とは見なされない)です。
4人未満で利用すると「相部屋」になる可能性がある一方で、
個室ゆえのデメリットはありません。