このページでは、「一般的に、
どうすれば交通費は安くできるのか」をまとめています。
つまり、会社ごと、区間ごとの特別な事情はさておき、
どの会社にも通用する事情を紹介します。
具体的には、
「こうすれば交通費は安くなる」という「節約の法則」をこのページでいくつか紹介します。
そして、「○○から××まで安く移動する」という個別の問題に対して、
この「節約の法則」を当てはめるための「発想法」「情報収集法」
を次ページ以降で紹介します。
まず最初に、利用する会社の数を1つでも減らすことが、
多くの場合には交通費の節約につながります。
特に、「乗ってすぐ降りる」ような会社が経路上にあれば、
そこを真っ先に切るべきです。
JRを除くほとんどの会社では、運賃は距離に比例していません。
長距離になればなるほど、1kmあたりの運賃は安くなっていきます。
食料品と同じで、
1つの商品(=鉄道会社)をまとめ買いしたほうが得ということです。
たとえば3社の乗り継ぎを2社に抑えられれば、多少遠回りになったとしても、
多くの場合には安上がりになるでしょう。
次に、鉄道各社の運賃の特性を知り、より安い会社を探すことを考えましょう。
同じ地域の鉄道会社でも、1キロあたりの運賃、
つまり「単価」には意外に差があります。
たとえば最近になって開業した鉄道は、
建設費の回収のために運賃が高く設定されています。また、同じ地下鉄でも、
東京メトロと都営では、経営状態を反映して運賃に相当な差があります。
また、電車とバスを比較すると、近距離なら概して電車のほうが割安です。
もちろん、単価が高い会社でも、
近道を通ってくれれば結果的に他社より安く済むこともあり、
最終的には単価ではなく運賃そのものを比較しないといけないわけですが、
「節約の発想」を得るには単価を知っておくことも重要です。
各社間の単価を比較するとき、
どのくらいの距離を利用するかによって結果が大きく変わります。
たとえばJRと大手私鉄との比較では、
JRは10kmを超えると距離に比例して単調に運賃が上がっていきますが、
大手私鉄のほとんどは、
10kmあるいは20kmを過ぎると運賃の上がりかたが緩やかになります。
「○○鉄道はいつでもJRより高い(or
安い)」と言い切れることは、大手私鉄ではほとんどありません。
各種の割引乗車券や割引制度も活用しましょう。
まずは回数券、一日乗車券など、
あたりまえすぎて逆に忘れてしまいそうなきっぷを検討してみましょう。
会社によっては、
1往復+αぐらいでもとのとれる一日乗車券を発売しているところもあります。
長距離だと「○○往復割引きっぷ」のような商品をよく見かけますが、
短距離ではそういう類のきっぷは少数です。しかし皆無というわけではありません。
ふだんは見もしないで通り過ぎる駅のポスターに目を通したり、Web
ページをまめにチェックしたりして情報を仕入れます。
また、2社以上を乗り継ぐときに運賃を割り引くという制度も要チェックです。
通常は意識しなくても勝手に適用される類のものですが、
きっぷの買いかたによっては適用されないもの、
うまく利用すれば想定外の使いかたができてしまうものなどもあります。
今、すでに定期券を持っている人は、
それをできるだけ有効に使うのも一手です。
定期券は何度使っても同額ですので、どこかに出かけるとき、
定期券の経路からはみ出す部分をできるだけ少なくする、
というのはだれしも考えることでしょう。
また、最近は「定期券を持っている人といっしょに乗る家族の運賃を割引」、
あるいは「記名人以外でも定期券を使える」
といったサービスを行うバス会社が増えています。
最後に1つ、
「○○に行くなら××に乗る」という固定観念を捨てることが重要です。
たとえば羽田空港。一般的には東京モノレールか京急、
あるいは旅行者向けのリムジンバスで行くものと思われています。
が、実は大森・蒲田・川崎といった駅からは、
ふつうの(町でよく見かける)路線バスも出ています。
この路線バスの運賃は270円で、一般の路線よりは若干高いのですが、
それでも空港に乗り入れる交通機関としては最も安い部類に入ります。
また、初めての場所へ行くときに「○○駅下車徒歩何分」のような案内状を受け取ると、
「○○駅で降りなければならない」と考えてしまいがちですが、
特に都心部では、すぐ近くに別の路線の駅があることも珍しくありません。
最終目的地は「○○駅」ではないのですから、
ほんとうにそこで降りるのが最適なのか、自分で確かめてみましょう。
意外なルートが見つかるかもしれません。