一部の節を「折りたたむ」機構を試験的に導入しています。 詳細については「折りたたみ機構の試験導入について」をお読みください。
路線バスでは、バス会社と乗客が直接契約しているため、
契約相手、すなわち乗車券を発行した会社の所有するバスが来ます。
複数社が共同運行している路線では、
その「複数社」の中のどれかのバスが来るので、
地元で見慣れないバスに当たることもありますが、
これも「契約相手の所有するバス」と呼んで差し支えないでしょう。
一方のツアーバスでは、
ツアーを企画・実施する旅行会社のチャーターした貸切バスが来ます。
どの会社のバスを準備するかは旅行会社の自由なので、
実際に来るバスがどこの会社のものかは、乗ってみないと分かりません。
(ツアーによっては、特定のバス会社と組んで専用の車両を用意している例もありますが、
その専用車両が来るという保証はありません。)
路線バスの場合、
多客期の増便を除けば「どの便にどんな車両が来るか」ということは容易に分かります。
最もかんたんなのは「バスどこなび」で調べる方法で、
座席配置はもちろん、付加サービス(飲み物など)の有無まで分かります。
このサイトでは「車両が新しいか古いか」までは分かりませんが、
長距離路線バスの専用車両は概して新しいのがふつうです。
(毎晩数百kmを走るので年間の走行距離が非常に長くなり、
更新周期が短いのです。)
しかしツアーバスの場合、そもそもどの会社の車両が来るか決まっていません。
座席配置は後述するとおり「横4列×縦11列」というのが標準ですが、
バスが新しいか古いか、大型か中型か、整備が行き届いているかどうか…などは、
乗ってみるまで分かりません。
極端な例ですが、参加者が少ないのでマイクロバスが来た、ということもあります。
さらにツアーバスの場合、「どこの会社のバスを使う」という限定がないため、
他社のツアーに便乗したり、路線バスに振り替えたり、ということもあります。
商品の本質が「バス」ではなく「旅行」なので、
「どんなバスであろうと、とにかく旅行できればいい」ということです。
上記のように、ツアーバスではどんなバスが来るか分からないわけですが、
特に「3列シート車」では、
車齢の高い「路線バスの中古車」の来る可能性が比較的高いといえます。
ツアーバスでは「横4列」が標準で、
ツアーによっては追加料金を支払うと「横3列」のバスに乗れるのですが、
これに古いバスが来やすい、ということです。
もともと貸切バス業界には「横3列」というバスがほとんどなく、
横3列の車両をツアーバス用に「安く」「早急に」調達した結果、
路線バスの中古車になった、ということのようです。
追加料金を払っているのに古いバスが来るというのは妙ですが、
以上のような事情によります。
SWA も3列シートの「中古車」に数回乗車した経験がありますが、
ふつうに走っているぶんには問題ありません。
ただ、「読書灯、スポット空調などの装備はほぼ確実に壊れている」
「シートベルトの端がほころびている」
「全般にほこりっぽい(これは整備の問題か)」など、古さを感じます。
また、エンジントラブルの話も何度か聞いていて、
新車に比べれば相対的に故障が多いであろうことは容易に想像できます。
なお、4列シート車にも(中古車かどうかは分かりませんが)ときおり古いバスが充当されることがあります。
最近、貸切バス会社で、安価な韓国製の新車を導入する動きが目立っています。
最初からツアーバス投入を念頭においた例も散見され、
実際にいくつかのツアーでは韓国製のバスが使用されています。
また、「新車は当分出ないだろう」と予想していた3列シート車にも韓国製の新車が導入され、
某旅行会社が「新車3列シート使用」とさかんに宣伝しています。
SWA は韓国製のバスに乗ったことはありませんが、
さすがに「明らかに国産に劣る」ということはないでしょう。
ただ、国産と比較して細かい振動を拾いやすいという声はあるようです。
また、今後の経年劣化や整備については未知数です。
夜行バスでは「面識のない異性同士が隣り合うこと」があまり好まれませんが、 路線バスにしろツアーバスにしろ、このことへの対応には各社で温度差があります。 乗客が十分多い路線・ツアーでは女性専用車が用意されていることもありますが、 性別に関して何の配慮もないことも多くあります。
一部ツアーでは「女性専用車」を走らせています。
これを選べば、一人で乗っても隣は確実に女性です。
また、1台のバスの中に「女性専用エリア」を設けている例もあります。
ただ、一般の車両(座席)にくらべ、
旅行代金が若干割り増しされることも多いようです。
「女性専用」と明示されていない場合でも、
ツアーバスの場合には必ず参加者の氏名を把握しているので、
座席を決める際に男女が隣り合わないよう配慮しているツアーもあります。
ただ、たとえば座席数が4×10=40だったとして、男21、
女19ならばどこか1つは男女が隣り合わせになるわけで、
確約はされないと思ったほうが無難です。
そして、以上のような「性別への配慮」を全く行っていないツアーもあります。
「隣には異性が来るものだ」と覚悟して、
気になるようなら横3列シートの車両を選ぶなど、自衛することをおすすめします。
路線バスの場合、東京・大阪間など、超主要路線では「女性専用便」、
一部路線には「女性専用席」の設定がありますが(価格は通常便と同じ)、
それ以外の路線では何の配慮もないと思ったほうが無難です。
乗車券購入時に性別を尋ねられず、かつ購入時に座席が決まってしまう路線では、
性別を考慮した配席がそもそも不可能です。
これまで予約・購入時に性別を尋ねていなかった路線でも、
徐々に性別を尋ねるようになってきていますが、
同じ路線でも販売チャネルにより尋ねたり尋ねなかったりということがあるので、
過信は禁物です。
路線バスとツアーバスで最も分かりやすい差異が「シート配置」です。 夜行の路線バスでは横3列、縦10列というのが標準的ですが、 ツアーバスの場合、横4列、縦11列というのが標準です。 ツアーバスの場合、修学旅行で使われるようなバスで夜を越すことになる、 と考えてください。
ツアーバスでも、追加料金を支払えば「横3列の車両」
あるいは「横4列でも縦が10列で前後間隔の広い車両」を選べる場合があります。
追加料金は数百円〜2000円程度で、
3列シート車の標準的な価格は東京・大阪間で6000〜7000円です(路線バスは約8500円)。
ただ、3列シート車を選べないツアーも多くあります。
最も大きな理由は「3列シート車が貸切バス業界にほとんど存在しない」ことで、
昼間の団体旅行に使いにくいせいか、未だにほとんど見かけません。
また、横4列×縦11列を横3列×縦10列にすれば、単純に考えて定員は約3分の2になり、
ツアー代金は1.5倍になると考えられるので、価格面での訴求力が落ちる、
ということもあるかもしれません。
夜行の路線バスは横3列が標準ですが、
あえて横4列の車両を使っている路線もあります。
この場合、運賃はたいてい格安に設定されています。
東京・大阪間では5000円以下が標準です。
また、お盆や年末年始などの繁忙期、夜行用車両が足りないという理由で、
一部の夜行路線バスに横4列の車両が使われます。
この場合も通常は運賃の値引きがありますが、1000円程度しか安くならないようです。
SWA の感覚では、横4列シートで夜を越すのは、かなり辛いといえます。
バスの座席では隣席との間にひじ掛けがないことも多く、
その意味では通勤電車と同じです。
隣人の体格がよければはみ出してくる可能性もありますし、
隣人がもたれかかってくる可能性もあります。
また、横4列・縦11列だと前後の間隔が狭く、あまりリクライニングできません。
シート自体が「あまりリクライニングできない構造」になっていることもありますし、
めいっぱい倒すと後ろの人に文句を言われる、という理由もあります。
ただ、最終的にはその人の感受性によるでしょう。
2人連れであれば「隣人が気になる」という問題はクリアできますし、
いくらリクライニングしても夜行バスでは眠れないという人もいます(逆に、
どんな環境でもよく眠れる人、睡眠導入剤を飲んでくる人もいます)。
夜行の路線バスでは「あって当たり前」のトイレですが、
ツアーバスでは車内のトイレはあてにしないのが無難です。
まず、ほとんどのツアーバスは、そもそも車内にトイレがありません。
その主な理由は「トイレつきの観光バスが少ないから」だと考えられます。
トイレがないので、通常は2時間に1回程度のトイレ休憩がありますが、
渋滞時はどうか、乗る前から腹の調子が悪かったら…などと考えて、
不安になった人は利用を控えたほうがいいでしょう。
そんな中、トイレ付きのツアーバスもありますが、
付加価値があるので、当然、追加料金の対象です。
数少ないトイレ付きバスを選んだとしても安心できません。
乗ったとたんに「トイレは小用のみでお願いします」と言われることがよくあります。
また、悪質な例では、いつ乗っても「故障中」の貼り紙が貼ってある、
ということもあるようです。
いずれも「整備に手間をかけたくない」のが主な理由と思われます。
後者の場合、「トイレなしバス」との差額を返金してほしいところですが、
約款上、旅行会社にその義務はないと思われ、請求しても返ってはこないでしょう。