この文書は本来、世の中の現状について解説するために公開しているものであり、
常に現状に追随することが期待されます。
しかし実際には、最後の更新(ページ末尾に記載)から相当な年月が経過しており、
記載内容は現状に追随していません。
また、この文書を今後更新する予定はありません。
したがって、この文書は本来の目的を達成していません。
最終更新当時の世の中の様子を伝えるという、
本来とは異なる目的で公開を続けているものです。
以上の点を理解のうえ、お読みください。
〔ムーンライトながら〕は、東京と大垣(岐阜県)を結ぶ夜行快速列車で、
1日1往復が運転されています。
この列車の最大の特徴は、夜行列車でありながら、特急、
急行ではなく快速列車であるということです。
つまり、特急券などは不要で、乗車券(と、
数百円の座席指定券)のみで利用できる列車なのです。
また、快速列車ですので、
普通列車に乗り放題の「青春18きっぷ」でも利用できます。
これを利用すれば、東京から大阪、岡山、広島、
果ては九州まで3000円程度(下りの場合、1回換算)という、
破格のねだんでの移動が実現します。
この列車、東京と名古屋などの間を移動するのに利用できるのはもちろん、 大垣から大阪までは電車で2時間ほどなので、 東京と京阪神の間を移動するのにも重宝します。 大垣着は早朝なので、普通列車だけを利用しても、夜までに九州に到達できます。
〔ムーンライトながら〕は、下り列車の一部区間を除いて全車指定席です。 ですから、乗車券(普通乗車券、 青春18きっぷなど)のほかに座席指定券が必要です。 これはそれほど高いものではなく、大人1人あたり510円(閑散期は310円)です。
下りの定期〔ながら〕は豊橋から全車自由席になり、通勤列車の役目を兼ねます。
〔ムーンライトながら〕で自由席があるのはこの列車・区間だけです。
2007年3月までは「途中駅から一部の車両が自由席になる」という扱いがありましたが、
現在はこのような扱いはありません。
〔ムーンライトながら〕は便利な列車ですが、それゆえ、
青春18きっぷの利用できる期間には指定席がすぐに埋まってしまいます。
そこで、
混雑の予想される期間(青春18きっぷの利用できる期間の一部+GWなど)には、
定期便を救済する臨時便が、ほとんど同じ時間帯に走ります。
この臨時便は、下り(品川→大垣)が〔ムーンライトながら91号〕、
上り(大垣→東京)が同92号と呼ばれ、こちらも全車指定席です。
使用される車両はちょっと古めの特急形車両10両編成で、
定期便に使われる車両より見栄えは悪いと感じられるかもしれませんが、
便利さ、快適さの両面で利用価値はあります。これはあとで述べます。
〔ムーンライトながら〕登場から2003年の春の連休まで、 定期便は(発車時には)全車指定席、臨時便は全車自由席でしたが、 2003年の夏から臨時便も全車指定になりました。 事情が大きく変わっているので、以前に利用したことのある人は特に注意が必要です。
長期休暇のシーズンになると、〔ムーンライトながら〕を利用する大多数の人が「青春18きっぷ」を利用します。
青春18きっぷは普通列車の自由席に乗り放題のきっぷですが、
別に座席指定券を買えば普通列車の普通車指定席も利用できます。
ですから、原則全車指定席の〔ムーンライトながら〕も、
座席指定券を追加して買えば利用できます。
青春18きっぷは、普通列車に1日乗り放題のきっぷが5枚セットになったものです。
つまり利用の単位は1日です。24時間ずっと乗り続けても、
1日で1駅間しか乗らなくても、1日分を消費することに変わりはありません。
列車に乗っている最中に日付が変わる場合、
0時を過ぎてから最初に停車する駅が、
青春18きっぷの日付の境目になります。
これをふまえて、〔ムーンライトながら〕の運転時刻を見てみます。
まず下り(東京→大垣)の場合、
日付が変わってから最初に停車するのは小田原なので、
小田原が日付の境目になります。
つまり、青春18きっぷを利用する場合、小田原までに1日分、
小田原からに1日分、合わせて2日分を用意しなくてはなりません。
が、たとえばその日の旅行が東京から始まるとすると、
東京から小田原までで1日分、小田原から先で1日分を消費することになり、
1日目は少々もったいない使いかたといえます。1枚あたり2300円のきっぷを、
東京・小田原間だけで使い切ってしまうのですから!
このような場合、東京から小田原までは普通乗車券を用意しておき、
日付の変わる小田原から先だけ青春18きっぷを利用するのが常套手段です。
こうすると、東京・小田原間の運賃1450円と青春18きっぷ1日分で済みます。
(この場合、青春18きっぷを列車に乗った状態で使い始めることになるので、
日付印は車掌さんに入れてもらいます。)
いっぽう上り(大垣→東京)では、日付の変わる駅は大府(愛知県)です。
その日の旅行が名古屋から始まる場合には、
下りの場合と同じく「大府までは普通乗車券、
大府からは青春18きっぷ」と2種類の乗車券を併用するのが賢いのですが、
スタート地点が京都や大阪なら、同じように大府までの普通乗車券を買うと、
青春18きっぷの1日分のねだんを上回ってしまいます。
こういうときは正直に青春18きっぷを2日分利用するほうがよいでしょう。
(なお、臨時〔ムーンライトながら92号〕では、日付の変わる駅は刈谷です。)
結局、下り、上りともに、どうやってきっぷを使ったらいいか、
という質問には一般的な答えがありません。
その日、自分がどこからどこまで乗るかによるのです。
いずれにせよ重要な判断基準となる「日付変更線」は、下りは小田原、
上りは大府(「92号」は刈谷)です。これは知っておいたほうがよいでしょう。
手持ちの青春18きっぷ(5日分)を使い切れそうになければ、
少々もったいない使いかたででも消費したほうが得ですから、
距離に関係なく2日分使うというのも一つの手です。
特に首都圏から西へ向かう場合、東京・小田原間の運賃が1450円なので、
この区間だけで青春18きっぷ1日分(2300円)を消費しても損失は1000円以下で、
「結局1日分を余して2300円まるまる損」というよりもだいぶマシです。
2007年3月のダイヤ改正で、下りの「日付変更線」はだいぶ西へずれました。
このせいで「日付が変わるまで」の運賃がかさむようになった、
という人も多いでしょう。
「日付変更線までの運賃」を少しでも節約するには、
小田原から〔ながら〕に乗るという手があります。
具体的には、東京22時53分発の普通熱海行に乗り、
小田原で〔ムーンライトながら〕に乗り継ぎます。
熱海行は各駅停車なので、「日付変更線を越えて最初に停まる駅」は小田原より手前、
大磯です。したがって、
この乗り継ぎだと「出発駅→大磯」+「青春18きっぷ1日分」で済み、
東京から乗車する場合、日付変更線までの運賃は1110円で済みます(340円節約)。
ただし、絶対に東京22時53分の列車に乗らないとこの手は通用しませんし、
〔ムーンライトながら〕に乗り込むのが遅くなるので、睡眠時間が減ります。
また、東京22時53分発の列車に乗ったという客観的証拠が残らないので、
「なぜ小田原までの乗車券がないのか」ともめる可能性もあります。
旅慣れた人以外にはおすすめできません。
なお、臨時〔ムーンライトながら91号〕を利用する場合、
さらに遅い東京23時13分発の小田原行でもよく、
この場合、日付変更線は藤沢になります。
東京→藤沢は950円なので、500円安くつきます。
さらに、「91号」かつ「平日発」限定ですが、
大船まで適当に行き、一旦改札を出て0時を過ぎてから再入場、
〔湘南ライナー17号〕(大船0時09分発)で小田原へ行く、
という手もあります(読者の方から情報をいただきました)。
下り〔湘南ライナー〕は大船からライナー券なしで乗車できるので、
必要なのは東京→大船の乗車券(780円)だけでよく、670円安く済みます。
ただし〔湘南ライナー17号〕は休日ダイヤの日は運休なので、
特に年末年始は注意する必要があります。
さて、「青春18きっぷ」が使えない時期、もしくは使えない状態にあるときには、
どんなきっぷを買ったらよいのでしょうか。
これは出発地と目的地によるのですが、
結局は普通乗車券を買うのが一番安いという事例が多いように思います。
普通乗車券は100kmを超えると学割がききますので、
学生の人は2割引で旅行できます。
ただ、首都圏と京阪神の間を移動する場合、
普通乗車券を買って乗るくらいなら、
目的地近くまで直行してくれるうえに居住性の高い夜行バスに乗ったほうがいいでしょう。
最近は格安の便も登場しています。東京・大阪間のバスの詳細を参照してください。
JR(鉄道)では、学割で2割引になるのは原則として普通乗車券だけで、
特急券や座席指定券のような「オプション券」、あるいは割引きっぷは対象外です。
したがって、割引きっぷである「青春18きっぷ」には学割はききません。
いっぽう夜行バスは、首都圏と関西を結ぶJRバスを中心に、
学割のきく路線があります。ただし、最近登場した格安路線はダメです。